どれぐらい、アブラモビッチに頼っているか、この13年間の業績推移を下に添付した。
前の奥さんと、初期のアブラモビッチ。前に座って いる子供が今では生意気そうな若者になっている。 |
こんな業績で一般の企業は成り立たない。
しかし、チェルシーの場合、借入金はゼロ、金利の支払いも心配する必要はない。
アブラモビッチは不足資金を貸付金ではなく、金利支払い、返済の必要がない資本勘定に投入して、自己資金で賄っている格好にしている。
言い換えると、金利を生み出したり、将来返してくれることを期待してお金を出しているわけではない、ということ。 一説には、投入した資金の総額は£1.4Bil、14億ポンド、約2,100億円に達するとか。
これは、ちょっとやそっとのお大尽でできることではない。そこら辺のスーパーマーケットのオーナーや勘違いした成金ではとても太刀打ちできない。エルトン・ジョンやロッド・スチュアートでも、遠く及ばない。リーグが違う。
アブラモビッチ以降、Man U、Arsenal、Man City、Liverpoolも各国の大金持ちが経営権を所有するようになり、今ではアブラモビッチは必ずしもプレミア最大のお金持ちオーナーではなくなった。しかし、アブラモビッチ以外は皆将来的な見返り目当ての投資、経営権取得であり、ざるに水を注いでいるようなアブラモビッチの投資(揶揄しているのではない、感嘆と尊敬の念を籠めている)とは違う。
唯一、アラブのシークMan Cityだけがアブラモビッチ以上にひたすら資金投入しているが、関連会社がスタジアムの命名権を買ったとか、形の上ではここまで赤字を表には出していない。
そう言えば、最近ブリッジであまり 見かけないようで、気がかり。 |
因みに、15/16年の総収入3億ポンド強のうち、テレビ放映権、その他コマーシャル収入が3/4を占め、入場料収入(match day revenue)
は7千万ポンドしかない。スタジアムの収容人員を1.5倍にしてもそれで得る増収は3-4千万ポンドで、赤字の額から見てたかが知れている。経済的に見てそのために5-6億ポンド投資する必然性は見当たらない。
16/17年の業績は早ければ来週中に発表されるらしい。先期特別損失を計上した見返りに相当するナイキからの商標権使用料が5-6千万ポンドが入ってくるので、相当の黒字になるのでは、と期待されているが、焼け石に水のようだ。
それでも、チェルシーファンはもっと金を出してあの選手を獲れ、この選手を獲れ、ボードは何をしているのだ、とうるさい。イギリス人を中心とするチェルシーファンの誰一人、こんな懐事情は考えてないように見える。
とにかく、チェルシーファンとしては、アブラモビッチ様には足を向けて眠れない。
数値は主としてGuardian紙からの引用。一部記事によって微妙に数値が異なることがあるが、適当に正しそうな方を採用した。いずれにしても大差ない。(元資料はCompany Houseへの登録数値の筈。) |
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