Chelsea Factory

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月曜日, 9月 24, 2012

8月19日 Wigan 戦



2012年開幕初戦は8月19日Wigan Away

WiganはMancheterの北西にある小さな町で、プレミアに上がってきた時は奇跡のようで、どうせすぐ降格すると思った。予想通りその年は見事に陥落したが、数年後に返り咲くと、今度は結構ぎりぎりのところで頑張っている。
Wiganでプレイして人気のあったスペイン人マルティネスが監督になって、プレミア下位チームらしからぬパスサッカーで、思いがけない金星を上げるかと思うと、同じレベルのチームにしょっちゅうボロボロにやられて、常に15位から17位ぐらいを右往左往している。 チェルシーのリザーブでは大活躍しながら、一軍では殆ど出番がなかったアルゼンチンの若者、ディ・サントがFWとして番を張っているのが好感が持てる。

Wiganが初昇格した時、あのGeorge OrwellのThe Road To Wigan Pierで有名なWiganと言う記述をどこかで見つけて、海の近くでもないのにPier(波止場)とはどういうことなのだろうか、Wigan Pierへの道とはどこへ続く道なのだろうか、名誉や栄光への道なのだろうか、といぶかしく思った。 その後George Orwellの本を一生懸命探してみたが、日本ではジョージ・オーウェルの翻訳なんて、殆どない。 洋書で検索したら、単行本ではなくて、オーウェル作品集の中にRoad To W...が含まれているのがあった。 取り寄せて読んでみたら、若き日のオーウェルが駆け出し記者としてWiganの貧しい貧しい炭鉱で働く厳しい労働者の生活を密着取材したドキュメンタリー、中身は悲惨なだけで、面白くもなんともなかった。

と言うわけで、何となく思い入れのあるWigan戦が開幕初戦。 London、Eustonから行きは2時間45分(帰りはノンストップで飛ばしに飛ばして2時間、何かこの国のダイヤは変だ。)、ゆっくり余裕を持って電車で行く。 前回来た時は車だったから直接スタジアムに行って、何の印象も無かったが、今回駅から歩いて行くと、駅の周りも含めて、街なんてない。大きな道と工場の残骸と安物巨大スーパーがあるだけ。 昔は、貧しく厳しいなりに活気があったのだろうが、今はどこにもある英国北部の繁栄から取り残された失業者の地域と言う感じがする。 歩いていると、Wigan Pierと書かれた建物があった。これがOrwellが書いた搾取された労働者の炭鉱の積出し工場の後なのだろう。 傍にはOrwellの名前が入った説明書きもあった。 しかし、悲惨なだけで誰も改めて読みたいとは思はない本、というか英国人でこの近辺の人間でも、本物を読んだことのある若者は殆どないのではないか、と思う。 ただ、有名人にからんで保存し、碑を立てているだけ。

開幕だというのに、DWスタジアム、多少席が空いている。サッカー以外に楽しみもないけれど、£40も50も払うのは大変なのだろうか。
試合の方は、最初の6分で2-0、Chelseaファンには公式戦初お目見えのHazardが切れきれの大活躍。 まずIbanovicへのアシストとランパードが決めたペナルティ獲得。 とにかく、Hazardにボールを渡すとキープして、前を向いて一人は交わしてくれるから何かが起きる、と大変期待したのは、トーレスの明らかなペナルティが認められなかった15分ぐらいまで。 因みにトーレスは明らかにペナルティをもらえるプレイだったが、レフェリーがその前にすでにPKを与えていることから、ここで試合を壊すのもいかがか、と笛を吹かなかった。 ただ、その後はボールは回すものの、全然前へ進まない、全く迫力の無い攻撃。Wiganの方がロングボール、ショートパス、サイド、等いろいろ工夫して攻めて来る。
最初の6分で試合を決めたから、その後気が抜けたのかも知れないが、完勝と言うには程遠い試合だった。 途中何度か(正確には2度)Victor Mosesにサイドを抜かれてかき回された。 ファンは'Victor, Victor,We'll see you next week.' と応えた。実際、翌週と言うわけにはいかなかったが、Victor Mosesはチェルシーにこの後やって来た。