10月20日 C/L 対 Malmo (H) 4-0
Malmoはスウェーデンのチャンピオンだそうだ。スウェーデンはFIFA国別ランキング17位、日本は28位だから、かなり実力が上の国のチャンピオンクラブということになる。 ただ、スェーデンで頭角を現せば、すぐに欧州のトップクラブに移籍するだろうから、残された選手によるリーグのレベルはそんなに高くないかもしれない。一方ビッグクラブの注目を得て一旗揚げたいという意欲は半端ないだろうから、そのモチベーションはJリーグとは比較にならないのかもしれない。
いずれにしても、Jリーグのトップクラスと同等か少し上の力があるクラブだろうと思われる。そう考えると、チェルシーに歯が立つはずがなく、実際歯が立たなかった。
メンバーを落としてくるかと思ったらトゥクルはベストメンバーで臨んできた。最近のスターティングメンバ―からは、ハバーツに代えてベルナーが入っているが、今一歩調子の上がらないハバーツに代えてのベルナーで、現状ではベストの布陣。
試合自体は20分過ぎのPKで2-0となり勝負あったが、終わってみると4点の内PKが2本、センターバックのクリステンセンがチェルシー初得点と、前で攻める人間の得点がハバーツの1点だけと言うのは、少し情けない。
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試合前披露されたマウントの応援旗 選手でこの手の旗が繰り出されたのは 過去に、ランパードとアザールだけ。 まだ22歳のマウントは、異例の扱い。 |
2点目となったPKはルカクがエリア内で倒されたもので、すぐハバーツに交代、その後ベルナーも太腿を痛めて交代。試合が立て込んでいることから、大事を取っての交替かと思ったが、後で聞いたところ結構厳しい故障と。FW二人が数週間にわたって出られないと言うのは、結構な痛手だ。特に得点力強化のために獲得したルカクが当分お休みと言うのは、相手チームに対するプレッシャーと言う意味でもマイナスになる。
と言っても当面は幸いなことにヘビーウェイトとの対戦はなく、昨季の成績を考えれば十分対処できるメンバーは揃っている。そういう意味でこの試合のメンバー交代は今後誰をピックしていくか昇格試験を兼ねている。この試合では、準メンバーの3人は特に試験を必要とせず、前節でほぼ合格していたオドイは合格を確保、サウルだけがここで良いところを見せる必要があった。 本人もそれを意識してか積極的にプレーしているように見えたが、残念ながら無難なプレーに終始し、目を見張るような活躍は出来なかった。 アトレティコマドリッドとは、買取りオプション付きのレンタル契約だが、この調子ではオプションを行使せずシーズン終了と共にアトレティコに返してしまうことになりそう。もう一踏ん張り、頑張れ。
10月23日 対Norwich (H) 7-0
Norwich はここまで2引分けがあるだけで、勝ち星なし、早くも降格確定との呼び声が高い。 しかし、チャンピオンシップでは安定してトップをキープして昇格したNorwichとは対照的に、プレイオフで勝ち上がったブレントフォードが先日チェルシーをコーナーに追い詰めたことを考えると、油断してはならない相手。と思ったが、全く歯ごたえのない、先日のMalmoにも劣るチームのように見えた。
メンバー全員が対面するチェルシーの選手に対して、全ての局面で30㎝スペースが狭く、0.2秒遅いように感じられた。チェルシーの選手はカウンターを受けそうになっても、少し早く戻ることができ、クリアするときには、どこに向けてクリアすればいいかを考えてクリアする時間とスペースがある。要は横綱相撲が取れる。実力差がストレートにゲームに反映される試合だった。普通フットボールでは意外なことが起こって、何時もその通りに行くとは限らないのに。
恐らくこれはNorwichが端正なフットボールをしようとしていたからだろうと思う。チャンピオンシップで勝ち進んだフォーミュラーそのままでトップリーグでは勝てない。何かハチャメチャなこけおどしでも相手の虚を突く戦術をとらない限り、実力差を跳ね返すことはできない。意外性のないNorwichは全く怖くなかった。
早々に2点入って結果は確定し、その後は個々の選手がどういうプレーをするかが、見ている方の興味の中心となった。
試合前、今シーズン未だゴールがなくそろそろ得点する時と語って自分にプレッシャーをかけていたマウントが開始9分で言葉通り見事に決め、前回前々回と合格のプレーを見せたオドイが2点目、その後にはオウンゴールを誘発する突破からのクロスを決めて、地歩を固めた。その後もイングランドの若手が鮮やかに決め、少し中だるみになった後は、相手に退場者が出て、10人相手では追加点でも取らないと叱られるかな、と改めてギアを上げてしまい、マウントがハットトリックを決めた。チルウエルは何と4試合連続ゴールと、開幕当初調整遅れからアロンゾに奪われたポジションを今度はアロンゾが出る機会を奪っている。
昇格試験組ではロフタスチークが好調ぶりをアピール、カンテ、ジョルジーニョとは違うタイプの中盤として、中盤のレギュラー争いに参入。先発出場だがコバチッチも入団直後を彷彿とさせる運動量と、上手な位置取りで好調をアピール。これでシュートが打てればランパードと言う活躍だった。この4人のMFを今後どう使っていくのか、見当がつかない。
前目の二人、バークレーとZH(ズィエッシュ)、それぞれ相手キーパーの好捕に阻まれたがいずれもオンターゲットの見事なシュートを見せ、十分使えることは証明した。一体トゥクルはどう使いこなして行くのだろう。
ジョルジーニョが退いた後はマウントがPKTakerと決められていたのだろうが、一度目をセーブされた後、バークレーとジェームスがそれぞれ、「蹴らせてくれないかなー」か「俺なら絶対決めるから」かどんな言い方をしていたのか分からないがマウントにアプローチしていた。立場が切羽詰まっているバークレーの気持ちは分からないでもないが、ジェームズはそんな圧力をかける立場にはないだろう。それとも「バークレーの言うことなんか気にしなくていいから」と励ましに行ったのだろうか。
Malimo戦出場メンバー
Chelsea (3-4-3): Mendy; Christensen, Thiago Silva, Rudiger;
Azpilicueta (c) (James 65), Kante (Saul 65), Jorginho, Chilwell (Alonso 65);
Mount, Lukaku (Havertz 23), Werner (Hudson-Odoi 44)
Scorers: Christensen 9, Jorginho 21 pen, 57 pen, Havertz 48
Unused subs: Arrizabalaga, Bettinelli, Chalobah, Barkley, Kovacic, Loftus-Cheek, Ziyech.
Norwich戦出場メンバー
Chelsea (3-4-3): Mendy; Chalobah, Thiago Silva, Rudiger;
James, Jorginho (c) (Loftus-Cheek 62), Kovacic, Chilwell;
Mount, Havertz (Barkley 70), Hudson-Odoi (Ziyech 70)
Scorer: Mount 7, pen 85, 90+1 Hudson-Odoi 18, James 42, Chilwell 57,
Aarons og 62
Unused subs: Kepa, Alonso, Azpilicueta, Christensen, Sarr, Saul