Festive シーズンに入ったと言うのに、今一試合振りがスッキリせず、観戦記を書き込む気がしないでいると、Spursのアンドレ・ビラス・ボアス、通称AVBがクビになった。
昔、ニューヨークにいた頃、良く’You can't fire me, I quit' (クビにはならない、辞めてやる)という言葉が流行った。
イギリスではFireではなくSackと言う。
プレミアでは余程人が良いのでない限り、自分から辞めることはない。 自分から辞めたら一文にもならないが、クビになったら、残りの契約期間分の給与が支払われるからだ。
AVBは一昨年、Chelseaをクビになって、後任にDi Matteoが就任したが、そのDi MatteoはChmpion LeagueとFAカップを勝ったものの、昨年任期途中で成績不振を理由にクビになった。 Di Matteoはその後特に職を探している様子がない。
何でも、今でもChelseaは毎週£40千(年収3億円以上)を支払っているとかで、他の職につくと、それがなくなるか、減額されるからだそうだ。
AVBがChelseaをクビになったのは、成績不振、主力選手との軋轢が理由と言われ、特にFrank Lampardをベンチに下げたことが、多くの選手の反感を買った、と言われた。
成績不振もあったが、基本的には人事操縦が下手(Man Management)で、チームをまとめられなかったとの評価だった。 実際、試合後の記者会見等でもパラノイアのように意味なく挑戦的だったり、人間性に?がつくと言うか、まだ若くて未熟と言うのが一般的な受け止めだったと思う。
AVBはモリーニョの下で7年間一緒に仕事をして、ポルトの監督になり無敗でリーグ優勝、最年少でヨーロッパカップを勝つという快挙を成し遂げており、このままでは終われない、プレミアでもう一度戦いたいと昨年Spursの監督になった。 Redknapがポンコツを寄せ集めて4位になりChelseaがC/Lで優勝しなければ、昨年C/L出場できる筈だったチームに乗り込み、昨年は5位。 Spursとしてはまずまずとも言えるが、前任者にとっては腹立たしいところ。
最近のSpurs躍進の立役者だったBaleを史上最高の£87百万でレアルに売った代りに、今季は総額£107百万をかけて7人の強力補強で、タイトルにチャレンジするという触れ込みだった。
しかし、蓋をあけるとこの補強が全く機能せず、AVB自身がこの7人は自分が選んだ補強じゃない、と言い出したりして不協和音がでてきたところで、Man Cityに6-0とやりたい放題やれら、先週末はLiverpoolにホームで屈辱的な5-0で敗北、これが引き金になってクビにされた。
Liverpool戦の前、Daily Mailの記者二人を名指しでAVBに個人攻撃して、無用なプレッシャーをかけていると非難、みんなの見ている前やりあうという前代未聞の記者会見(前代未聞でもないかな)をやった時点で、あれ、AVBのパラノイアが治っていなかった、と先が長くないことを予感させた。
Daily Mailの記者はそれぞれ、”補強失敗はフロントのせい、失点は選手のせい、自分のせいは何もないAVB"とか、”今は高額でトレードっされて各地に散っている当時のポルトなら、誰が監督でも無敗優勝できた”とかの批判記事を書いていた。
AVB解任後、名指しで非難された一人は、Baleのトレードが何を意味するか理解できなかったAVBは、ケセラセラの映画知りすぎた男(A man who knew too much)になぞらえて知らなさ過ぎた男(A man who knew too little)と揶揄するような記事を載せている。
何でも、Man City戦での大敗の前の時点で、Spursのフロントの中でAVBを支持していたのは既に一人だけで、解任は時間の問題だった、とか。
しかし、AVBが未熟で、人間的に成熟する必要があることは事前に充分わかっていた筈で、それを踏まえて監督に招いたということは、それなりにフロントも我慢すべきなのではないか、と第三者としては思う。 だって、成績不振で解任された後、そのチーム(Chelsea)はチャンピオンリーグで優勝し、FAカップを勝ったんだよ。如何に監督が問題だったか明らかじゃない。
因みに、最後にAVBに引導を渡す結果になった、LiverpoolのBrendan RodgersはReadingの出身だが、2004年にモリーニョの下でアカデミーの監督になって、コーチ業を始め、その後リザーブの監督に昇格、数年前にChelseaを辞めて、Swanseaの監督に就任、チャンピオンシップのSwanseaをプレミアに昇格させた後、将来を嘱望される若手監督の代表格としてLivarpoolに迎え入れられた監督。
モリーニョ直系がAVBに引導を渡したと言うのが何とも感慨深い。 (続く)
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